アルダクトンAと併用禁忌・注意の医薬品や飲み合わせまとめ

アルダクトンAの併用禁忌や注意薬を知っておこう

 

たいていの医薬品には併用禁忌・注意薬がありますが、アルダクトンAも同じです。しかも、アルダクトンAの場合併用禁忌・注意薬は種類が多いので、事前にチェックしておいたほうがいいです。

 

ここでは、アルダクトンAの併用禁忌・注意薬、そして利用されやすい医薬品との飲み合わせも合わせて解説していきます。

 

 

アルダクトンAの禁忌事項

 

アルダクトンAの併用禁忌・注意薬を知る前に、「禁忌事項」について押さえておきましょう。これは「服用してはいけない人」という意味で、リスクを回避するためには必ず知っておかなければいけないことです。

 

添付文書には、以下の「禁忌事項」があります。

 

  1. 無尿又は急性腎不全の患者
  2.  

    アルダクトンAは利尿剤となるため、当然腎臓への負担が大きくなります。急性腎不全などの人の場合、アルダクトンAによって症状が重くなる可能性があるので、服用はできません。

     

  3. 高カリウム血症の患者
  4.  

    アルダクトンAを服用すると、体内のカリウム量が増える傾向があります。そのため、すでに高カリウム血症にかかっている人は重症化のリスクがあり、服用禁止となります。

     

  5. アジソン病の患者
  6.  

    アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)は、副腎の機能が弱くなり、副腎皮質ホルモンが分泌できなくなる病気のことです。アルダクトンAは副腎皮質ホルモンの「アルドステロン」を抑制するので、服用すると症状悪化を招くことになり、禁忌となります。

     

  7. タクロリムス、エプレレノン又はミトタンを投与中の患者
  8.  

    上記の医薬品はアルダクトンAの併用禁忌です。詳しくは併用禁忌の項目で解説します。

     

  9. アルダクトンAに対し過敏症の既往歴のある患者
  10.  

    アルダクトンAを服用すると、過敏症を起こす体質の人もいます。

     

    >>アルダクトンAの副作用(過敏症・薬疹)

     

    詳しくは↑で解説していますが、過去に過敏症を発症した人は、再度アルダクトンAを服用することはできません。

アルダクトンAの併用禁忌薬とは?

 

アルダクトンAの併用禁忌薬は、全部で3種類となります。

 

タクロリムス(プログラフ)

 

タクロリムス(商品名:プログラフ)は、免疫抑制剤となります。

 

人間の体に異物(細菌やウイルス、他人の臓器など)が入ると、免疫機能が激しく反応します。そのおかげで細菌やウイルスから体が守られるわけですが、免疫の過剰反応によって炎症などの症状が現れることもあります。

 

タクロリムスは、その免疫反応を抑制するのに役立ちます。免疫にかかわる「T細胞」を抑制することで、炎症などのを抑えます。臓器移植時の拒絶反応を抑える目的で使われることが多いですが、アトピー性皮膚炎やリウマチなど、免疫が関わっている病気の治療に使われることもあります。

 

アルダクトンAとタクロリムスを併用すると、相乗作用が起こって体内の血清カリウム値が上昇することがわかっています。そのため、高カリウム血症を発症することがあり、併用禁忌となっています。

 

通常はあまりお目にかかることはない医薬品ですが、もし臓器移植などの診察を受ける場合はアルダクトンAを服用していることは伝えておきましょう。

 

エプレレノン(セララ)

 

エプレレノン(セララ)は、利尿薬となります。

 

作用のしくみはアルダクトンAとほぼ同じで、副腎皮質ホルモンのアルドステロンを抑制することにより、遠位尿細管の働きを弱めて尿を増やします。尿が増えることによって血圧が下がるため、高血圧の治療などで使用されます。

 

アルダクトンAと作用機序がほぼ同じなので、併用するとカリウムが増えすぎて高カリウム血症のリスクが増してしまいます。そのため、併用は不可となっています。

 

作用が同等なので、併用になるケースはほとんどないでしょう。ただ、別々の医師の診察を受けてた結果同時に入手する可能性はあるので、診察を受ける際にアルダクトンA服用中であることは伝わるようにしておきましょう。

 

ミトタン(オペプリム)

 

ミトタンは抗がん剤の一種となります。アルダクトンAを併用すると、ミトアタンの作用を阻害し、効果を落とすことがわかっています。

 

がんの治療を行う際は、アルダクトンAを服用していることをしっかりと伝えましょう。

 

アルダクトンAの併用注意薬をチェック

 

アルダクトンAにはかなり多くの併用注意薬があります。はじめに、リストでチェックしておきましょう。

 

薬剤名など 何の症状に利用されるか 併用のデメリット
降圧剤 高血圧など アルダクトンAとの相乗効果によって、降圧作用が強くなりすぎる恐れがある。
高カリウム血症リスクのある薬 高血圧など アルダクトンAとの相乗効果によって、高カリウム血症のリスクが高まる。
ノルエピネフリン 心不全など 原因は不明だが、ノルエピネフリンの血管反応性を低下させる恐れがある。
乳酸ナトリウム 血液が酸性になるのを防ぐ アルダクトンAの作用によって、乳酸ナトリウムのアルカリ化作用が弱まる可能性がある。

塩化アンモニウム
コレスチラミン

脂質異常症など アルダクトンAとの相互作用によって、代謝性アシドーシスを起こすという報告がある。

ジゴキシン
メチルジゴキシン

心不全など アルダクトンAがジゴキシンの排泄を低下させるため、血中ジゴキシン濃度が上昇してしまうことがある。
ジギトキシン 心不全など 原因は不明だが、ジギトキシンの作用を強めたり、逆に弱めたりすることがある。
リチウム製剤 双極性障害など リチウム中毒に陥る可能性がある。
NSAIDs(解熱・鎮痛剤) 解熱・鎮痛 高カリウム血症を発症する可能性がある。

 

上記のリストにある医薬品については、アルダクトンAと慎重な併用が必要となる「併用注意薬」になっています。

 

以下で、この中でも特に注意したい医薬品について解説していきます。

 

降圧剤

 

アルダクトンAには降圧効果があり、高血圧などの治療に使われる医薬品となっています。しかし、高血圧治療薬は他にもさまざまなジャンルがあります。

 

種別 薬品例 作用の仕組み
利尿薬 アルダクトンA、ラシックスなど 尿を増やして血管内の水分を減らし、降圧させる。
ACE阻害剤 コバシル、アデカットなど 血圧上昇を起こすアンジオテンシンⅡなどの作用を阻害する。
カルシウム拮抗剤 ノルバスク、アテレックなど カルシウムが細胞に流入するのを防ぎ、血管を拡張・降圧する。
β-遮断剤 インデラル、ミケランなど 運動に関わる、心臓の「β受容体」を遮断することにより、降圧効果を得る。

 

↑は代表的な降圧剤の一覧となります。いずれも作用のしくみは違いますが、結果的に降圧作用を得ることができます。

 

そして、これらの降圧剤を併用すると、全くしくみの違う2つの降圧作用を受けることになり、過度に血圧が下がってしまう恐れがあります。なので、基本的には併用はせず、その人にあった種類の降圧剤を使っていくことになります。

 

医師と相談しておけばうっかり併用になることはありませんが、別々の病院に通ったりしていると併用してしまう可能性はあるので、あらかじめ注意しておきましょう。

 

高カリウム血症リスクのある薬

 

アルダクトンAは、体内のカリウムを失いにくい利尿薬となっています。そのため、低カリウム血症のリスクが少ないのが特徴です。ただ、逆に高カリウム血症の可能性が出てくることになります。

 

そして、他の医薬品にも、高カリウム血症のリスクがある医薬品はいくつかあります。なので、そういった医薬品とアルダクトンAを併用すると、高カリウム血症のリスクは膨れ上がることになります。
高カリウム血症のリスクがある医薬品は、以下の通りです。

 

種別 薬品例 適応症
カリウム製剤 嚥下カリウム、グルコン酸カリウムなど 低カリウム血症
ACE阻害剤 カプトプリル、エナラプリル、リシノプリルなど 高血圧など
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタンなど 高血圧など
アリスキレン - 高血圧など
カリウム保持性利尿剤 トリアムテレン、カンレノ酸カリウム 高血圧など
シクロスポリン - 臓器移植時の拒絶反応など
ドロスピレノン(ヤーズ) - 生理不順、避妊など

 

↑のなかで目立つのは高血圧時の降圧剤です。ACE阻害剤などは「降圧剤」のところでも取り上げたので、ダブルの意味で併用にはリスクがあるということになります。

 

そしてもう一つ注意したいのが「ドロスピノレン」です。これは「ヤーズ」と言う名前で売られている低用量ピルのことで、アルダクトンAと併用すると高カリウム血症のリスクが高まることになります。

 

>>アルダクトンAとピルと併用してもいいの?生理不順リスクは?

 

その他のピルとの併用については↑で説明しているので、そちちらを参考にしてください。

 

NSAIDs(ロキソニン、ボルタレンなど)

 

NSAIDs(非ステロイド解熱・鎮痛剤) ロキソニン、ボルタレン、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシンなど

 

NSAIDsは、「非ステロイド系解熱・鎮痛剤」のことです。↑の一覧にある通り、ロキソニン、ボルタレンなど、良く知られた鎮痛剤が分類されます。利用者も多く、アルダクトンAの服用中に、ロキソニンなどを服用したくなるケースも多いでしょう。しかし、アルダクトンAとNSAIDsは「併用注意」に分類されており、安易に併用はできません。

 

NSAIDsは、痛みの発生源である「プロスタグランジン」という成分を減らすことで鎮痛作用をもたらします。しかし、プロスタグランジンは他にもさまざまな役割があり、そのうちの1つに尿を増やす作用があります。しかし、NSAIDsを服用するとプロスタグランジンが減るので、尿が出にくくなります。

 

つまり、アルダクトンAの利尿作用を、NSAIDsが減らしてしまうことになるわけです。腎機能障害がある人の場合、高カリウム血症が重症化するケースもあります。

 

問題は、NSAIDsは簡単に市販購入できるということです。アルダクトンAを服用中、頭痛などがあってロキソニンを服用したくなることがあるかもしれません。そんなとき、かんたんに薬局で買うことができてしまうのです。そして、知らずに併用に至ってしまうケースが多いです。

 

あくまで「併用注意」なので、医師の観察のもと、最適なNSAIDsを処方してもらえば、それほど大きな問題になることはありません。しかし、自己判断でNSAIDsを選んで併用してしまうと、さまざまなトラブルが考えられます。なので、医師との相談はしっかり行うようにしましょう。

 

まとめ

 

アルダクトンAにはいくつかの併用禁忌があります。また、併用注意に関しては該当医薬品がかなり多くなっています。

 

その中でも、

 

  1. 降圧剤
  2. 高カリウム血症リスクのある薬(ヤーズなど)
  3. NSAIDs(ロキソニン、ボルタレンなど)

 

については利用頻度もそれなりにあるので、安易な併用にならないよう注意しましょう。